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相互関税が引き金に―世界同時株安、暗号資産市場はどこまで耐えられるのか

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2025/4/12MEXC
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激動の第1四半期を経て市場が安定を取り戻し始めた矢先、突然発表された政策が世界の投資家に再び衝撃を与えました。ドナルド・トランプ米大統領が「相互関税」に関する大統領令に署名したことで、市場は3日間にわたって大暴落し、米国の株式市場から$11兆以上が消失しました。リスク許容度の高い投資家の選択肢とされる暗号資産市場も、連鎖的な暴落を免れませんでした。この動きは、トランプ大統領による経済ショック療法の影響だとする向きもあれば、新たな経済秩序の幕開けだと捉える見方もあります。

1. トランプ大統領の「薬」発言の真意:米国が相互関税を発動


トランプ大統領が相互関税の大統領令に署名してからわずか1週間で、世界の株式市場は過去50年近くで最も深刻な暴落に見舞われました。ワシントンに戻る途中のインタビューにて、トランプ大統領は株式市場の暴落を「問題を解決するには薬が必要なこともある」と発言。この発言により、市場の広範囲にパニックが広がり、ナスダック100先物はこれを受けて6%以上急落しました。

問題の「薬」とは、米国の新しい貿易戦略「相互関税」政策を指しています。この貿易戦略の転換は、すでに米国製品に高い関税をかけている国に対し、米国も同等かそれ以上の関税を課すというもので、このアプローチは、従来の多国間自由貿易の枠組みからの大きな転換を意味します。政権側はこれを「公正な貿易」を促進するためと説明していますが、エコノミストらは、この政策が世界のサプライチェーン全体に甚大な混乱を引き起こし、国際資本市場に深刻なショックを与える可能性があると警告を鳴らしています。

2. $11兆が3日で消失:史上最悪クラスの暴落


The Kobeissi Letterによると、米国株式市場はわずか44営業日で$11.1兆の価値を失い、これは米国GDPの約38%に相当するとのこと。米国の主要指数はわずか3日間で15%以上の下落を記録し、COVID-19の暴落をも凌ぐものでした。この暴落は、1987年のブラックマンデー暴落を上回る、現代史上最悪の暴落のひとつとなりました。

この暴落は米国にとどまらず、世界各国の市場に波及:

- 日本の日経平均株価は2,500ポイント以上も急落し、先物はサーキットブレーカーが発動。
- 韓国のKOSPIは4.39%下落し、「サイドカー」による取引停止が発生。
- 台湾のTAIEXは寄り付きで10%近い下落、TSMCや鴻海(Foxconn)などが急落。
- ドイツのDAX、英国のFTSEユーロストックス50先物も軒並み急落。
- S&P500先物はサーキットブレーカー警告を発し、下落率が20%に達した場合、市場は取引停止へ。

ヘッジファンドは、特に暗号資産と株式市場は、リーマン・ショックを彷彿とさせるマージンコールの危機に直面しており、金融不安の懸念が高まっています。


3. 暗号資産市場の急落:強制決済額は$8億


リスク許容度の高い投資家の避難所と考えられていた暗号資産市場も、世界的な金融ショックで大打撃を受けています:


世界市場のセンチメントを反映する、恐怖と貪欲指数(Fear & Greed Index)23まで低下し、「極度の恐怖」ゾーンに入りました。わずか24時間で、29万人のトレーダーが強制決済され、その強制決済額は$8.93億を超えました。そのうちの約85%がロングポジションでした。暗号資産セクターは、通常、伝統的な市場に代わるボラティリティの高い市場としてリスク許容度の高い投資家に受け入れられていますが、今回の下落では安全な避難先とはならず、伝統市場と同様に大きなダメージを受けています。


4. 各国の反応:貿易秩序の再編


相互関税は世界各国からさまざまな反応を呼び起こしています:

  • ベトナム、アルゼンチン、イスラエルはすでに米国製品に対する関税撤廃を発表。
  • インドは米国製品に対する関税ゼロに向けた動き。
  • 中国はすぐに米国からの輸入品に34%の報復関税を課すと発表。
  • 欧州連合(EU)も4/9に報復関税を採決する予定。

シンガポールのローレンス・ウォン首相は「ルールに基づくグローバリゼーションと自由貿易の時代は終わり、より恣意的で、保護主義的で、そして危険なフェーズに入った」とコメントしています。

この市場の混乱は、単なる一時的な市場変動にとどまらず、保護主義と地政学的緊張が未来を再形成するという、世界貿易秩序のより根本的な変化を反映しているといえるでしょう。

5. 短期的パニック、長期的チャンス?


短期的には深刻な混乱が続く一方で、潜在的なチャンスが生まれていると見る投資家もいます。BitMEXの共同設立者であるアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏は、「債券市場のMOVEボラティリティ指数が140を超えた場合、FRBが再び量的緩和に踏み切る可能性がある」と推測しています。


また、Kalshiの予測市場によると、2025年に米国が景気後退に陥る確率は68%で、ここ数カ月で最も高い水準に達しています。JPモルガンでさえ懸念を表明しており、連邦準備制度理事会(FRB)に次回会合前に金利を引き下げるよう警告を発しています。

暗い見通しとは裏腹に、トップ・トレーダーのユージン・ン(Eugene Ng)氏は、「この不況は適切な戦略を持つ人々にとって一生に一度の資産形成の機会をもたらす」と語り、「まずは生き残ることが鍵だ」とアドバイスしています。一方、Formula Newsの創設者であるヴィダ氏も、これは2008年の危機を彷彿とさせる崩壊ではなく、循環的な調整局面と見ており、同氏は、2026年第1四半期に市場の転換点が来ると予想し、下落局面で徐々にポジションを構築することを推奨しています。

6. まとめ:この嵐をどう乗り越えるか


トランプ大統領の経済理論を支持するにせよ、関税の新たな世界秩序の到来と見るにせよ、はっきりしていることが一つあります。それは、今の市場の動きは、未曾有の不確実性とボラティリティの時代に突入しており、もはや過去の経験だけで理解できるものではなく、投資家は「新たな常識」への適応が求められていることです。

こうした不確実な環境では、リスク管理を理解し、ボラティリティに直面しても冷静でいることが鍵となるでしょう。資本は新たな拠り所を必要としており、嵐を乗り切ることができる者こそ、次のステージへと進むことができるのです。金融情勢が変化する中、嵐を乗り切るためのツールを備えたプラットフォームが不可欠です。

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